物語的な(青色の言葉
のみお題として使用可です。それ以外は
もっていかないでくださいね。)
曇天が重くのしかかっている。それでも僕は此処を退くことはできない。
何処からか泣いている声がするんだ。人のものじゃあない、耳にひっかるような
音。雨が降りそうだ。だけど動くことはできない。音が近づいている。
泣き叫ぶ子供が、落とした物を泣きじゃくりがら探し歩くように、僕を求めて
ふらりふらりと、近づいている。星を体中にひっかけている、子鬼だ。
両手を目にやって、泣いているのだろうか頬から手から流れ落ちた雫が、星を
伝って地面に落ちている。虹色のそれは、わずかな光を伴ってわずかに消えてしまった。
声はかけない。人間とは違う彼らは、こちらの声は聞こえない。子鬼が僕に気がついて
声をかければ、きっと僕も子鬼と話しができるだろう。